未来の道具・その2 ポストペット [八谷和彦]
■ [八谷和彦] 過去記事
http://blog.so-net.ne.jp/dir_man/2006-05-22
http://blog.so-net.ne.jp/dir_man/2006-05-24
タイトルをみて「もう既にあるものを“未来の道具”というのも変な話だろう」と思った方々、すみません。そのとおりです。
でも、1995年、八谷さんがポストペットを開発した時代にタイムマシンで戻ってみてください。その頃は、パソコン通信全盛で、E-mailは出始めたばかり。インターネットの世界はまだ開拓時代でしたよね?
「当時は、いいメールソフトがまったくなく、ぼくにとってE-mailは茶封筒のような事務的なイメージだったんです。男の人が仕事で使うだけ、というような。設定も難しかったし、使いもしない余計な機能がいっぱいついていたし。それなら手書きの手紙のほうがいい。封筒の絵柄や、そこに書いた文字で、例えばラブレターだ、とかすぐわかる。表情がありますよね」
八谷さんは、愛犬のテンにじゃれ付かれながらも、さらに話を続けた。
「海外で、“E-mailを便利だ”という人たちのものの言い方にカチンときてたったいうのもあります。
英語では、手紙もE-mailも同じくメール。だから、ハイテク側の人たちは手紙とE-mailと区別するために、E-mailはそのままメールと呼んで、手紙のことをsnail mail(スネールメール)、つまりカタツムリ・メールと呼んでいたんです。“遅い”という皮肉を込めてね。だけど、早いからってだけじゃ、楽しくないじゃないですか。例えば伝書鳩なんて、現実だと考えるとすごいですよね」
たしかに時間はかかりますけど、家にハトが来てくれたら、手紙の内容が何であれ、それはビックリしますね。
そこでだ。
八谷さんは、“手書きのような温かみ”や“伝書鳩のような驚き”があって、“ふつうの人がもっと使いたいと感じる”メールソフトが欲しいと思った。でも、そんなメールソフトは当時なかったのだ。
メールソフトをつくる知識はなかったが、“でも、欲しいソフトがないからつくっちゃおう”。それがポストペットをつくるきっかけである。
http://www.petworks.co.jp/~hachiya/works/PostPet.html
当初は、八谷さんを含め3人のスタッフとアルバイトで作り始めたプログラム。年間の予算が数千万円規模の小さなプロジェクトで、最初のバージョンが完成するまで丸々2年かかった。その後はといえば、どんどんと人気がでて、予算も億単位になり、あとは今、皆さんのご存知の通りである
「素人のうちにモノをつくるのが好きなんですよね。素人はこわいもの知らずですから。それが素人のすばらしさでもある。だって最初から“2年かかる”とわかってたらやろうと思わなかったかもしれない」と八谷さんは笑う。“ベンチャーで、物事を成功させる秘訣は、小さく始めること。それを雪だるま式に大きくしていけばいい”というのが彼の持論だ。
ちなみに、まだポストペット未体験の皆さん、今なら1か月無料で体験できますよ。
http://www.postpet.so-net.ne.jp
この取材を機会に私も今体験版を使っていますが、かなりはまります。モモが今何しているのか、気になってたまりません。
もしくはソフトを買わなくても月々210円で体験も可能。
http://www.postpet.so-net.ne.jp/webmail/
※So-netの接続コース会員なら無料
ブログもあります。
http://blog.so-net.ne.jp/postpetwm/
次回へ続く・・・
http://blog.so-net.ne.jp/dir_man/2006-05-29
共通テーマ:PostPet
私にパソコン通信という限られた世界から、インターネットの広い世界へ進んでいくきっかけを作ってくれたのは、間違いなくPostpetというソフトでした。
今でもEメールソフトとして、これ以上のソフトはないと思っていますし、これ以外は使ったことがない私。もちろん今後もそうします。
お花やカブトムシを持って、代わりに気持を伝えてくれたペットたちには、いつも感謝しています。自分の代わりに遠くまで一生懸命運んでくれるのですから。
不要になったメールは定期的に削除しますが、ペットが持ち帰った日記だけはどうしても捨てられません。
そんなメールボックスの一つには、20世紀から続く(爆)ペットのひみつ日記が今でもしまい込まれています。
Eメールという印刷しなければ形にならない手紙であっても、捨てずに箱に入れてしまっておきたい手紙。それがポストペットで書くメールです。
by いさや (2006-05-29 01:48)
ポストペットを使い始めて早9年。ペットももう4代目になりました(他にも有り)。
それでも、いまだにペットから貰ったメールで泣けてしまいます。
特にお別れのメールは。
(実は書いている今も想像して涙ぐんでます)
便利なメールソフトはたくさんあるけれど、私はずっとポストペットしか使わないんだろうな。
で、お別れの時は号泣するんだろうな。
by ピンキィモモ (2006-05-29 11:38)
いさやさん、ピンキィモモさん、コメントありがとうございます。
こういうコメントには、こちらもほろりと来てしまいます。
僕の作品のなかで、最も愛されているのもきっとポストペットなので、
そういう意味でもこれは本当に特別な作品です。
(個人の作品というより、チームの作品ですけどね)
by はちや (2006-06-01 19:28)