会社を辞めてから [桑原慶]
■過去記事
フットサルカフェ「KEL」訪問
http://blog.so-net.ne.jp/dir_man/2006-06-05
「会社を辞めた理由ですか? 直接的な理由は彼女と別れたことなんです」
少し照れた表情。でも、口調はしっかりとしている。
「彼女とは結婚を考えていたから、ゲームという世界のなかで地盤をつくり、組織の一員としてお金をもらうことを考えていた。でも、別れるということになってその理由がなくなってしまったんです。
彼女とは8年間付き合っていて、そのうち6年は一緒に暮らしていましたから、“彼女がいない”ということ以外が何も変わらない生活、というのは考えられなかった。女々しいですよね(笑)」
とはいいつつも、実はこのとき、桑原さんは新しいことをはじめるチャンスを感じていたとも言う。
「すごいショックだけど、ここを乗り越えて次のことに行くチャンスなんだな、と。矛盾した気持ちが同時に起こっている、その感覚は今でもはっきり覚えています。だから、自分に踏ん切りをつけたくて、別れ話が出た翌日に、すぐ辞めると会社に言ったんです。会社の上司も理解があって、“1ヶ月分、しっかり有給消化しろよ”と」。
その1ヶ月は彼女との“エピローグ”だった。
「8年間も付き合っていると、“別れよう”って言ってすぐ次の日に“さようなら”っていう気持ちにはなれなかったんです。だから、最後の1ヶ月はちゃんと付き合おうって。そのあとはほんの数回、連絡をとっただけです」
二人の別れには必要な時間だったのだろう。
もちろん、桑原さんが次のステップに進むためにも、非常に有意義な時間だった。
2002年3月、彼女との本当の別れを迎え、新たなる世界で活動を始める。
といっても、仕事を辞めてから、フットサルカフェに興味がわいた、というわけではない。
「構想としては、会社を辞める前からあったんです」。
桑原さんはサッカーで有名な静岡県出身。
本格的にサッカーをやったことはなかったが、大学時代、地元から東京に出てきた仲間と、3ヶ月に1回サッカーをしていたという。
その仲間たちが地元で就職を決め、東京を離れていく頃、会社の同僚に誘われて、フットサルをはじめた。これがやってみるとおもしろい。1年もすると、週に3、4回ペースでプレーするほどのめりこんでいた。
「“飲みに行こうぜ”と声をかけても集まらない連中が、フットサルだと集まってくる。このフットサルの魅力は、ビジネスとしてもおもしろいと思いました。
プレーした後は居酒屋とかファミレスで話しをしてもりあがるんですが、店がなかなか見つからない。だから、プレー後にすぐ飯が食べられるような場所があったらいいなっていうのもあって。自分がプレーヤーとして満たしたいニーズも感じたわけです」
そこに、もともと持っていた“表現したい”という気持ち。それらがすべてあいまって、高校時代の友人と二人で、“フットサルカフェ”というコンセプトで進めていこうということになった。
当時は仕事を辞めるということは考えてなかったため、仕事と平行して動いていたという。
そして、彼女との別れ、退職。
機は熟した。
次回へ続く・・・
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