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スペイン&中南米遊学記 [松澤弘一郎]

「昔は、大っ嫌いだったんですよ、ラテンのノリが。父親がラテンミュージックばっかり聞いてて、“絶対オレは聴かないぞ”とか、“マッチョはいやだ”って思ってたぐらい。でも、思春期が終わるぐらいからかな、だんだん好きになってたんですよね」。





そもそも弘一郎さんのお父さんがラテン好き。南米にも何度か行ったことがあるとのこと。お店も、酒屋とスタンディング・バーしかなかった時代から、南米の人がアルバイトで来ていて、そのなかで小さい頃の弘一郎さんは育ったのだそう。
そういう家庭環境からか、松澤さんには海外に対する興味は中学生の頃から芽生え、ご家族もそのことに対して協力的。高校のときは、毎年アメリカ――サンディエゴとか、フロリダとか――にホームステイに行っていました。


そして大学に進学。ここで今の松澤さんのお店のスタンスを決めるような大きな出会いに恵まれます。それは、大学1年のときから始めたアルバイトでのことです。





「西麻布にある、“キッチン5”という料理店です。その店はフレンチが中心で、おばさんが一人で切り盛りしてたんだけど、夏休みとか冬休みとかになると、丸々1~2ヶ月とかお店を休んで、ヨーロッパとか南米とか、世界のあらゆる国に行って、知り合いの家に泊めてもらいながら、その土地の料理を勉強してくるんですよ。それで、その土地にしかないスパイスとかを買って、新しい料理の知識を得て帰ってくる。これぞ本物って思いましたね」。
松澤さんは今でもキッチン5を訪れます。おすすめの料理店だそう。
http://www.kitchen5.jp/





「仕事は厳しかったですよ。よく蹴っ飛ばされてましたから、1日目で“辞めよう”と思いましたもん(笑)。でも、仕事が終わると、バーとかに連れて行ってくれて。そこで味を覚えたりもしましたね。ホント感謝してます」


サラリーマンになるよりは、実家を継ぐ方がいい、と考えていた松澤さん。もともと料理が好きだったこともあり、大学卒業後はエコール辻で料理を学び始めます。
その後、テレビや雑誌などで有名な落合シェフの「ラ・ベットラ」というイタリア料理店のオープニングスタッフとして3ヶ月、「はしや」
(※何料理のお店か、どこにあるのかなど詳細を教えていただければと存じます)
で1年半料理店で約2年勤め上げました。


そうして貯めたお金で、松澤さんはスペインに1年間「遊学」します。


“やはり、実家を継ぐことを考えて、いわゆる「修行」のため?”と聞くと、「いや、そのときは何にも考えていませんでしたね」と松澤さん。





「留学じゃないから、特に学校に行くわけでもなく、昼間はスペイン語の本を持って公園でぶらぶらして、夜はバルに飲みに行くっていう生活ですよ。スペインはバルが何軒も隣り合わせにあって、タパス(つまみ)をちょっと食べて、一杯飲んだら次の店に行く。いつも7~8軒はしごして、夜通し飲んでました」


そういう生活が半年続いたあと、スペインの南、マラガの語学学校に通うことになります。でも、スペインなど地中海周辺の国々には「シエスタ(昼休み)」があり、学校も午後1時ごろで終わり。


「学校の目の前にビーチがあったんで、ワインと生ハム、チーズを買って、毎日パーティ。その繰り返しです。楽しかったな~」


う、うらやましい限りです。
そのときの思い出を話す松澤さんの幸せそうな表情を見ていると、なんだか真面目に働いてるのが馬鹿らしくなってくる……


「でも、そのときに、本場の味を覚えられたんだと思いますね」


松澤さんは、きっと遊ぶように“勉強”できる人なんでしょう。いっつも飲んでばっかりいるようだけど(失礼!)、結果、今の仕事に結びついているんです。


そして、スペインから戻ると、今度は南米へ!
コレがまたすごい“遊学”なんですよ。
「最初、NYから入って、バスでカナダに行って。それから、キャンプがしたかったんで、西海岸まで飛んで、ヒッチハイクとかしながら1ヶ月山ごもりしましたよ。毎朝飯ごう炊さん(笑)。
でも、さすがに一ヶ月シュラフで草の上に寝るのはつらくなってきて、キャンプの道具を全部売り払ってロスに入りました。
そのあと、昔店で働いていた知り合いがメキシコにいたんで、それからメキシコに行って、1ヶ月その人の家に滞在。そのあと、メキシコを1週して。合計2ヶ月ぐらいいたのかな?」





中南米で何をしていたか、といったら、やっぱりスペインのときと同じく「バルで飲む」。
「中南米にいって思ったのは、“スペインは本物のラテンじゃない。まだ気取ったところがあるな”ってことかな。中南米でバルとかに行くでしょ? 女の人が通ると、男連中はみんなして胸からお尻から全身を舐めるように見るんですよ。もう男丸出しって感じで(笑)そういうところがなんかいいな~、と思って」。


まだまだ旅は続きます。そこからはバックパッカーの旅。硬いイスのバスでグァテマラ、ベリーズ、コスタリカを巡り、チリへフライト、と中南米を南下していきます。


「チリがいちばん好きかな。真ん中に山脈が走ってるんで、海の幸、山の幸両方に恵まれてる。もちろん、ワイナリーもいっぱいあるし。それに、なんといっても女の子がかわいいんですよ。引越しちゃおうかな、ってぐらい。ナンパ? もちろんしましたよ。それも仕事のうちですからね(笑)」


し、仕事なんですか?





「もちろん冗談ですよ」
といったあと、「半分はね」と笑う松澤さん。
会話の端々に“自分も楽しい。他人も楽しい”と思わせる気遣いが感じられました。
コレは努力してできることじゃない。やっぱり、遊学で培われたものなんでしょうね。


「南米、楽しいですよ~。時間があったらいってみてくださいよ」ととろけそうな笑顔で話す松澤さん。
でも、「遊学」から帰国した松澤さんを待ち受けていたもの。
それは決して楽しいことばかりではありませんでした。


続きは次回へ。


2006-07-13 14:20  nice!(1)  コメント(1)  トラックバック(0) 
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春野


出会いの季節っしょ♪
一人暮らしの女とかマジですぐポンポン落ちておもしれーww
お姉さん美味しかったです(^q^)
http://7stmbf7.www.sofban.info/7stmbf7/
by 春野 (2011-04-11 09:19) 

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