横浜にバーをオープンしたのはベイスターズファンだから [伊藤豊]
いきなりネタバレのタイトルですみません。
そうなのだ。
MUSIC&BAR Breezin'のマスター、伊藤さんは何を隠そうベイスターズファン(隠してない)。
ベイスターズの試合が見たいがために、横浜に店をオープンしたという。
前回まで、あんなにAORのことを熱く語っていたのに、いきなりこんな展開って……。
「サラリーマン時代、大阪が最後の勤務地だったんです。
大阪でも、70年代後半から80年代にかけて、ミナミのアメリカ村でサーファー文化が流行った時期で、AORに関する活動も盛んだった。
私がいた頃も、かつてのAOR文化の名残は今も微かに感じられ、そういったジャンルをメインに扱う中古レコード店があったりしたんですよ。
そこで、AORを流すDJ BARを見つけて 。その店に通うようになり、マスターや常連客の皆さんと親しくなりました。
こういう人たちとのつながりもあって、大阪で店を開くのもアリかな、という思いもあったんです。
でも、結局は野球への思いが勝ってこっちに来ちゃいました(笑)」。
大阪の仲間が聞いたら、ぶちキレそうだ。
特に阪神ファンだったら、AORで話が合おうとも、大喧嘩になるんじゃなかろうか……。
そんなわたしの心配をよそに、伊藤さんはテレビのスイッチを入れた。
ベイスターズの試合だ。
「あ、スカパーですね」とすかさず編集者(ちなみに編集者は虎キチで、しっかりスカパーに入っている)。
「最初は巨人が好きだったんですよね。まあ、巨人しか放送がなかったしね。でも、小学校ぐらいになると、興味が拡散してきて、ほかのチームにも興味が湧いてきたんですよ。巨人が弱くなってきたっていのもあったんだけど。
それで、横浜の前身の大洋ホエールズを好きになって。田代とか、平松とか、斉藤とか、今解説をやってるような人が選手だった頃です。わかります?」
わかりません。
と、横で“わかります、わかります”と、編集者がうなずいているではないか。阪神ファンなのになぜ!?
「敵のチームのことを知らないと野球観戦も面白くないの」と私に説明し、“横浜ベイスターズ、および大洋ホエールズの選手ネタ”で、2人で盛り上がり始めた。
私も野球は知らないほうではないと思っていたが、まったく話についていけない世界。
編集者 :最近の選手では誰が好きなんですか?
伊藤さん:特に誰というのはなくて、チーム全体が好きなんですけど、注目しているのは吉村という若手の選手ですね。
編集者 :ああ、吉村。最近ドンドン頭角を現してますよね。
私 :・・・。
そんなわけで、Breezin'にはベイスターズファンも押し寄せる。
特に横浜スタジアムで試合があった日は多い。
実は伊藤さんも観に行っていたかもしれない(昼に横浜スタジアムで試合が行われるときは応援に行くらしい)。
しかし、ベイスターズファンと、AORファンは相容れるのだろうか……。
「中学のとき、同級生と横浜に遊びにいったんですよ。都内にはないような西洋建築や、昭和レトロの建物があって。ベイスターズファンになったのは、横浜という土地への憧れもありましたね。
それに海も近いし。たしかまだ、AORは聴いてはいなかったと思うけど、根っこの部分ではつながっているのかもしれない」。
そう、海岸のドライブに似合うAOR! ベイスターズファンとAORの共通点は海!
(共通点が見つかってよかった)
それでは最後になりましたが、AOR初心者にも上級者にもおすすめの、伊藤さんセレクトのアルバム3枚をご紹介します。
Michael McDonald/思慕
Bobby Caldwell/What You Won't Do for Love
Donald Fagen/The Nightfly
「1枚のアルバムには10曲ぐらい入っているから、いい曲もあるけれど、はずれもある。でも、この3枚は、入っている曲すべてがいい。AORでもここまでいいといえるアルバムはない」。これがセレクトの理由。CHECK IT UP!
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